介護職は在宅で行われることが多いが、介護される方の自宅には現金が置かれていることがよくあります。
高齢者の中にはお金が無いと心配だからと、封筒に大金を入れて放置されていることもしばしば見受けられます。
金額を全て把握し、金庫などに保管されていれば問題はないのですが、すぐに手が届くところに置かれている場合は注意が必要です。
高齢者が普段の生活の中で紛失してしまい、場合によってはヘルパーの方が盗んだという疑いをかけられるトラブルが頻繁に発生しているのです。
実際にいくら金額が入っていたかもわからず、家の中で紛失した場合、ヘルパーが盗んだと疑われることもあり、そこから信頼関係が損なわれる原因になるケースもあります。
介護を受ける方とのその後の関係に悪影響を及ぼすのは避けられません。
このトラブルを回避する手段として、家族の方と最初に相談をし家の中を徹底的に整理して、現金がいくら置いてあるかを把握し定置管理を徹底することです。
決まった場所からお金がなくなっていれば、すぐに家族の方に連絡をすることができます。
本当に窃盗事件である可能性もありますが、紛失してすぐの段階であればトラブルを避ける有効な手立てと言えるでしょう。
認知症が進んでいる方の場合、その症状として他人を疑うことが多くなることもあります。
ましてヘルパーは長い付き合いがあるわけでもなく、老いてから知り合い、仕事のために来てくれる人という認識しかないかもしれません。
お互いが気分よくいられるためにも、お金に限らず、紛失すると困るものについての管理を、介護される方や家族に提案しておくと良いでしょう。